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HACCPってなに?食品製造に関わる人の義務!?安全な食づくりのためにすることとは?

HACCPってなに?

おとーふ

「食品系の企業を調べていると『HACCP』って言葉を見かけるんだけど…コレナニ?」

他にも、
・学校の授業で『HACCP』って言葉を聞いた
・仕事の関係で『HACCP』の勉強が必要…

でも、HACCPって
結局なに!?

…という方に!HACCPとはなにか、
「HACCP入門編」という感じでまとめました。

食品に関わる仕事をしたい人、
食品系を専攻している学生さんにも
ぜひ見てほしいです!

記事の内容

  • HACCPってなに?
  • なぜHACCPが必要なの?

 

 

1.HACCPってなに?

HACCPは「安全な食品をつくる方法」

安全な食品=危険ではない食品

安全な食品とはズバリ、「危険ではない食品」です。

※ここでの「危険」とは…

病気になる、怪我をするなど人の体や命に影響を与えるものを「危険」と呼んでいます。

つまり、
「食べた人が病気になる」
「怪我をする食品」
は危険な食品です。

HACCPとは食べた人が病気になる・けがをする心配がない、安全な食品を作るための方法です。

また、HACCPは安全な食品を作るための方法を7つの原則含む「12の手順」で示しています。

 

HACCPは食品に関わる人の義務

●法律で義務化

日本では食に関わる事業者は「HACCPに基づく衛生管理をすること」を義務化しています(食品衛生法)。

※食品の「衛生管理」とは

製造場所の掃除や消毒をする、肉や野菜を十分加熱する、原材料や製品を適切な温度で保管する

など安全な食品を作るためにする様々なことを指します。

 

●義務の対象は食品に関わる事業者

主に食品の製造や販売に関わる事業者が義務の対象になっています。

(対象の例)食品工場、スーパー、飲食店

1.HACCPってなに? まとめ

  • HACCPは安全な食品を作るための方法
  • 食品に関わる事業者はHACCPに基づいた衛生管理をすることが義務付けられている。

 

 

2.HACCPはどんな方法なの?

食品製造の工程で「危険」を取り除く方法

●HACCPは頭文字を並べた言葉

HACCPは下記の英語の頭文字を並べた言葉です。

・Hazard Analysis(危害分析)
・Critical Control Point(重要管理点)

HACCPは食品製造の工程から危険を取り除くために「危害分析」を行い、「重要管理点」を決めて管理する方法です。

 

危害分析で行程中の「危害」を挙げる

「危害分析」は食品の製造工程にどんな「危害要因」があるか挙げることです。

※危害要因とは…

食品に入ったら「危険な食品」になってしまうものです。

(例)ガラス、金属、病原微生物

 

「重要管理点」で危害を取り除く

「重要管理点」は危害分析で挙げた危害要因を食品から取り除くために製造工程中にすることです。

危害分析と重要管理点の例を「どら焼き工場」で例えてみます。

(例)どら焼きの工場

危害要因(危害分析によって挙げたもの)を、
あんこに病原微生物の存在(原材料の小豆に付着)」とする

微生物を取り除くにはどうする?
「あんこを十分に加熱して殺菌する」

十分に加熱できていることを確認するにはどうする?
「小豆を煮る工程」で「加熱温度や加熱時間を管理する」
↑これが重要管理点になります。

上記の例では、危害要因と重要管理点は以下のようになります。

危害要因
あんこに病原微生物が存在すること
重要管理点
小豆を煮る工程で加熱温度、加熱時間を管理すること

 

危害要因を取り除くために「どこの工程で何をする」が重要管理点です。

2.HACCPはどんな方法なの? まとめ

  • HACCPは安全な食品を作るため、製造工程中で食品に入る「危害(危険)」を取り除く方法
  • 取り除くべき危害を明らかにするため「危害分析」をし、危害が除去できていることを確認するため「重要管理点」を決める

 

 

3.HACCPは「12の手順・7つの原則」

HACCPは12の手順でできている

HACCPには「12の手順」があります。

HACCPの12の手順

この手順に沿って組織全体でHACCPの導入に取り組みます。そして、製造する食品から危害を取り除く方法を決め、製造中にで実施できるようにします。

 

 

「準備段階」と「実施段階」に分かれている

さらにHACCPの手順は下記の2段階に分かれています

①準備段階(手順1~5)
②実施段階(手順6~12)

また、実施段階(手順6~12)はHACCPの「7つの原則」に基づいた手順になっています。

手順1つ1つの詳しい解説は省略しますが、「準備段階」と「実施段階」で取り組むことをざっくり紹介します。

①準備段階:危害分析の土台を作る
HACCP導入を進める人たちのチーム作りから始まります。
そして、自分たちが作る製品について「何をつくっているのか」「どうやって作るのか」を文書化します。
②実施段階:危害を取り除く方法を決める
実施段階ではHACCPの特徴である「危害分析」「重要管理点の決定」を行います。
食品の製造工程中の危害を取り除く方法を具体的に決め、製造現場で実施できるようにします。
ここまで決めた重要管理点やその管理方法は「HACCPプラン」と呼びます。
みんなで考えたHACCPプランを製造現場で運用し、「安全な食品づくり」を目指します。

 

 

3.HACCPは「12の手順・7つの原則」 まとめ

  • HACCPの手順は「12の手順・7つの原則」でできている。この手順に沿ってHACCPの導入に取り組む
  • HACCPの手順は準備段階と実施段階に分かれている。
  • 準備段階ではHACCP導入を進める人の決定、自分たちがどんな製品をどのように作るのかを明確にする。
  • 実施段階では「危害分析」「重要管理点の決定」により安全な食品づくりのために行うルールを具体的にし、実際に製造現場で行える形にする。

 

4.なぜHACCPの導入が進められているの?

「安全な食品を作るため」だけじゃない

HACCPに基づいた衛生管理をすることは、食品による事故(食中毒など)が起こらない「安全な食品」を作るため。…ですが、それだけではありません。

 

日本製品の輸出を増やすため

日本は少子高齢化により、日本での食の消費が減少しています。

そこで、日本製品の消費増加になる手段の1つが「海外への輸出」になります。

●輸出には世界目線での信頼が必要

輸出し海外の市場で売るためには世界目線で「日本の製品は安心だ!」という信頼が必要です。

●世界目線での信頼がHACCP

HACCPはコーデックス委員会が発表した衛生管理方法であり、世界で導入が推奨されています。

コーデックス委員会

「国連食料農業機関(FAO)」と「世界保健機関(WHO)」の合同機関。安全な食品の「世界レベルでの規格」を作る組織

つまり、HACCPの衛生管理方法を取り入れて製造した食品は、「世界レベルの衛生管理方法を取り入れて製造した食品」という、世界目線で信頼できる食品ということになります。

 

HACCPを取り入れて輸出の向上につなげる

国によってはHACCPを取り入れて製造した食品でないと受け入れてくれない所もあります。

HACCP導入は日本の消費増加につながる

HACCPを取り入れることで、目的である「日本製品の消費を増やす」につながるということになります。

 

4.なぜHACCPの導入が進められているの? まとめ

  • 安全な食品を作るためだけでなく、日本製品の消費増加のためでもある
  • HACCPは世界で認められた衛生管理方法のため、HACCPを取り入れることで世界レベルの安全な食品を作ることができる。
  • 「世界レベルの安全な食品」という信頼によって輸出が拡大し、日本製品の消費増加につながる。

 

 

最後に今回の記事のまとめです。

まとめ

  • HACCPは安全な食品を作るための方法であり、食品に関わる人は実施が義務つけられている。
  • HACCPは「危害分析」によって挙げた危害を「重要管理点」で除去する方法
  • HACCPは世界で認められた衛生管理方法。HACCPを取り入れることで世界から「安全な食品」という信頼を得ることができる。

毎日、おいしい&安全なごはんが当たり前に食べられるのも、食品に関わる人たちが製造方法を見直したり、たくさんのルールを守ったりして頑張ってくれているおかげなんですね!

 

おとーふ

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!